インプラントに伴うリスクと注意点

インプラント治療は、インプラントを骨内に埋入し、インプラントが骨と結合した後、その上に上部構造を取り付け、機能回復をする治療です。インプラント埋入後、骨と結合するまでには約2か月から4か月はかかります。(骨の状態によっては6か月間程かかる場合もあります。)その後、歯型をとり、2週間~1ヶ月ほどかけて上部構造の作製を行います。(歯肉の増成手術などを行う場合は、歯型をとるまでの期間が更に1~2ヶ月伸びることがあります。)
インプラントは長期間使用に耐えられるように考えられたものですが、骨質、その他条件によって骨と結合しない場合もあります。その場合は、再度インプラントを埋入させていただくようにしております。

下歯槽神経について

下顎臼歯部の骨の中には、下歯槽菅という管が走行しており、その中を血管と神経が走行しております。この神経は下顎小臼歯部にある孔から骨外に伸び、下唇周囲の皮膚・粘膜の知覚を司ります。この神経を損傷すると、同部位の感覚が鈍くなるなどの症状がでるため、インプラント埋入は、下歯槽菅から一定距離を離した位置に埋入するように計画します。

上顎洞底挙上術について

上顎臼歯部の顎の骨の高さが不足している場合に、上顎洞内に骨を造成する方法です。歯槽骨に上顎洞底に達する穴を形成し、上顎洞粘膜を破らずに剥離・挙上し、上顎洞内に骨を造成します。上顎洞粘膜は性状によっては破れやすい場合があり、破れた場合には数ヶ月後に再度上顎洞挙上術を行うことになります。

抜歯後即時埋入・早期埋入について

抜歯と同時にインプラントを埋入する術式を「抜歯後即時埋入」、抜歯後1ヶ月ほどでインプラント埋入する術式を「抜歯後早期埋入」と言います。従来の術式に比べて手術回数が減り、治療期間が大幅に短縮できるのに加え、抜歯後に起こる顎の吸収を軽度に抑えることができるというメリットがあります。歯ぐきの切開もしないことが多く、患者様の身体への負担が少なく済みます。

骨補填材の使用について

インプラントの周囲に骨が不足している場合に、骨を造成するために骨補填材を使用することがあります。

GBR(骨誘導再生) について

インプラントの周囲に骨が不足している場合に、骨を造成するために骨補填材と併せてメンブレン(骨再生用膜)を使用する術式です。

FGG(遊離歯肉移植術)、CTG(結合組織移植術) について

インプラントの周囲に角化歯肉(硬い動かない歯肉)が不足している場合に、他部位(主に口蓋部)からの歯肉、結合組織を移植する術式です。

ガイドサージェリーについて

CT画像、口腔内模型をコンピューター内に取り込み、サージカルガイド(インプラント埋入時に口腔内に装着し、ドリルの方向・深さを規定する装置)を作成し、安全かつ正確にインプラントを埋入する術式です。埋入方向のコントロールが困難な難症例や、一度に多くの本数のインプラントを埋入する場合に用いることが多いです。

補綴様式について

インプラントの上部構造の固定様式として、「スクリューリテイン(ねじ止めタイプ)」と「セメントリテイン(支台装置をねじ止めした上にかぶせ物をセメントで止めるタイプ)」の2種類があります。

治療終了後の定期検診について

インプラントは、天然の歯と同様に歯周病【歯槽膿漏】にかかると言われています。したがいまして、治療終了後、歯ブラシを含め、インプラントの日々の手入れを確実にしていただきます。
また、咬合の過度な負担に関しても天然歯と同様の問題が生じます。そのために定期健診に来院されるようお願いいたします。このことを怠った場合、当院は一切の責任を負いかねますのでご注意ください。

上記の注意を守ったにもかかわらず、お一人お一人の体質や、食嗜好、生活スタイルにより、手術したインプラント、補綴物は変化する場合がございます。よって、当クリニックにて指定通りの定期検診やメンテナンスをしていただいたにもかかわらず、変化してしまった場合には、その上部構造の治療に関する料金を保証させていただくシステムをご用意しております。
3年間完全保証となっておりますが、定期的なメインテナンス(最低でも半年に一度程度)を受診 していただいた患者さんに限ります。
また、3年以降の保証につきましては、年数により患者さん負担が変わります。

  • 3年以上4年未満・・・再治療費の25%
  • 4年以上5年未満・・・再治療費の50%
  • 5年以上6年未満・・・再治療費の75%(6年目からは保証期間終了となります。)